これからの季節、花火大会をはじめ、様々なイベントが目白押しです。そして、イベントと言えば、最近ではキッチンカー(移動式販売者)があちらこちらで見られます。昔ながらの屋台の利用も定番ですね。ただ、忘れてはいけないのが、食中毒対策。夏場は、特に食中毒の発生に注意しなければなりません。テレビのニュースなどでも、夏場の食中毒発生については、毎年のように報道されております。
食中毒の発生原因の要因として、諸々の食中毒菌が挙げられます。一般的に細菌は、置かれた環境の温度によって、増殖スピードが変わります。20~25℃前後の環境で保管した場合と比較して、30℃では約2倍、35℃では約4倍のスピードで増殖します。夏場のキッチンカー、屋台などは、細菌にとって増殖するのにもってこいの環境と言えます。
生ものを提供される業者様は特に注意が必要です。最近は、フルーツの串刺し、キュウリの串刺しなどを提供される業者様もいらっしゃいます。細菌は熱に弱い場合が多いため、熱をかける焼きそば、お好み焼き等の提供であれば、リスクが少ないと思われます。しかし、フルーツ、キュウリ等の生ものの提供については、細菌リスクと隣り合わせにあることを忘れてはなりません。
行政側からは、食の安全確保のため、原則すべての食品事業者に国際的な食品衛生管理手法である、HACCP(ハサップ)に沿った衛生管理を要求されています。そのため、キッチンカー、屋台の業者様も原材料の入荷から、最終製品の出荷まで、各製造工程について衛生面でのリスク管理をしなければなりません。各事業者様は、このことを念頭に入れて、日々の事業を行うことをお勧めいたします。
問題が発生する前の対策にかかるコストと、問題が発生した後の、発生した問題に対応するコストを比較すると、後者の方が圧倒的に重くのしかかります。何より、消費者の方に大変な迷惑をかけることになります。そして、発生した後は、会社のブランド棄損にもつながりますので、決して発生させてはなりません。
キッチンカー、屋台等の衛生面等についてのご相談についても、当事務所ではお受けしております。お気軽にご相談下さい。