皆さん、内容証明郵便はご存じでしょうか？
聞いたことはあるけど、利用したことがないなあ、なんて方も多いのではないかと思います。利用したことがないというのは、考えようによっては、好ましいことと思います。
というのは、内容証明郵便は、何かしらかのもめごとが発生、発生する前段階で利用されるものですので、利用していないということは、こういったトラブルに遭遇していないということの裏返しだからです。
反対にご利用された経験がある方は、何らかのトラブルに遭遇していたのではないでしょうか？
このように書いている私自身、以前に内容証明郵便を利用しております。記憶にあるのが以下の2件です。
（１）親族が契約したプロバイダーと解約のため内容証明郵便を利用した
現在は、様々なデジタルデバイス、デジタルサービスがあり、若いころから馴染んでいないご年配の方の中には、営業担当者の言われるがままに契約等してしまうケースも間々あります。そして、業者の中には、解約するにも複数年の縛りがあったり、解約方法を複雑にしていたりと、消費者を混乱させるようなサービスを提供されていたりするところもあります。
そして、私の親族の話になりますが、評判が決して芳しいとは言えないプロバイダーと契約してしまいました。電話営業されて、電話口で言われた通りに対応してしまい、あれよあれよという間に、契約になってしまったようです。誰でも慣れていない分野の内容は、相手の言いなりになってしまうこともあるかと思います。見事に業者に騙されてしまったようです。
このプロバイダーですが、利用年数の縛りがある上に、電話でしか解約を受け付けないといったサービスで展開されていました。電話をしても、話し中がほとんどで、なかなかつながらない。やっとつながって解約の意思を伝えましたが、電話でのやり取りは、後々言った言わないの問題が起こることも予想されます。そこで、先方には内容証明郵便を出して、解約の意思を確実に伝えておきました。
内容証明郵便では、郵便局が、出した郵便の内容と郵便の差出日付を証明してくれます。相手方としては、解約の内容証明郵便を出された場合、後々、解約について知らされていないなんて、回答をすることはできません。このように郵便局に証明してもらうことで、自己防衛が図れます。万が一、裁判等に発展した場合でも、この内容証明郵便は証拠として扱われますので、自己の意思を伝えたという確実な事実証明になります。
このように相手方に対して、自己の意思を確実に伝えるには、この内容証明郵便は大きな武器になります。
（２）クリーング・オフをするために内容証明郵便を利用した
もう1件は、私自身が関係することですが、ある時、訪問販売の営業の方が自宅に来ました。現在も週末等に、各家庭を回っていたりすると思いますが、太陽光発電システムの営業でした。今後電気代が確実に上がるから、太陽光発電システムを導入した方がよいなどとすすめられて、半信半疑ながら、契約してしまいました。営業担当者が帰宅後、コストの大まかなシミュレーションをしてみたところ、損をする可能性が高いことが分かり、すぐにクリーング・オフの対応をしました。クリーング・オフについては、また改めて詳しく説明致しますが、今回のような訪問販売の場合、契約から8日以内なら契約解除ができることが法律で認められています。そして、このクリーング・オフをするためには、内容証明郵便を利用するのが有効です。内容証明郵便を利用すれば、郵便内容と差出日付を証明してくれるので、クリーング・オフを行った日付が記録に残ることになります。
今後皆さんが、今回紹介したようなケースに遭遇してしまった場合は、内容証明郵便を検討してみて下さい。一番は、こういったことにあわないようにするのが一番ですが、気を付けていても、こういった境遇にさらされてしまうこともあります。だます側は、巧妙な手口で来ますので、気づかずにだまされていたなんてこともありかねません。
そして、内容証明郵便等に不明な点等がございましたら、当事務所にお気軽にご相談下さい。当事務所で文面をご用意することもできますので、お気軽にお問い合わせ頂けますと幸いです。